社会保障協定とは

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社会保障協定を締結する背景・目的

 国際的な交流が活発化する中、企業から派遣されて海外で働くことや、将来を海外で生活される方が年々増加しています。

 海外で働く場合は、働いている国の社会保障制度に加入をする必要があり、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。

 また、日本や海外の年金を受けとるためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があるため、保険料の掛け捨てになってしまうことがあります。

 社会保障協定は、

  • 「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
  • 保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)
ために締結しています。

各国との社会保障協定発効状況

 2017年8月時点における、社会保障協定の発効状況は以下のとおりです。日本は20ヶ国と協定を署名済で、うち17ヶ国分は発効しています。「保険料の二重負担防止」「年金加入期間の通算」は、日本とこれらの国の間のみで有効であることにご注意ください。

 注)イギリス、韓国及びイタリアについては、「保険料の二重負担防止」のみです。

年金通算の社会保障協定を締結している相手国(2018年8月現在)

ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド・ルクセンブルク・フィリピン
署名済だが未発効の国

イタリア・スロバキア・中国

協定を結んでいる国から日本で働く場合の加入すべき制度

1.二重加入の防止について

 【協定発効前】

 海外において被用者として就労する人が事業主により日本に派遣される場合、日本の社会保障制度に加え、派遣元国の社会保障制度に二重に加入しなければならないことがありました。

 【協定発効後】

 協定により原則として就労する国の社会保障制度のみに加入することになります。つまり、派遣元国の事業主により日本の支店などに派遣された場合や現地の企業に採用された場合には、日本の社会保障制度のみに加入することになります。

 しかしながら、事業所から日本に5年を超えない見込みで派遣される場合には、協定の例外規定が適用されます。すなわち、引き続き派遣元国の社会保障制度のみに加入し、日本の社会保障制度の加入が免除されます。

 日本国の領域内及び相手国の領域内において同時に就労する場合は、生活の本拠を基準として、その国の年金制度のみ加入することになります。日本に生活の本拠を置く場合には、日本の年金制度のみ加入し、協定相手国の年金制度の加入が免除されます。協定相手国に生活の本拠を置く場合には、協定相手国の年金制度のみ加入することになります。


2.協定相手国の社会保障制度に継続して加入する人

 協定相手国の社会保障制度のみに継続して加入し、日本の社会保障制度の免除を受けるためには、次のすべての状況を満たす必要があります。

・協定相手国の社会保障制度に加入していること
・派遣期間中も協定相手国の事業所との雇用関係が継続していること*
・派遣期間が5年以内と見込まれる場合であること
* 「雇用関係が継続している」とは、協定相手国の事業主に役務を提供し、その事業主が労務管理をしていることをいいます。

3.日本での就労期間の延長

 当初見込んでいた就労期間を延長して日本での就労を継続する必要がある場合には、協定相手国の事業主(自営業者の場合は本人)は免除期間の延長を申請することができます。

 原則として日本の社会保障制度の免除は5年です。しかしながら、特別の事情がある場合には、延長が認められる場合があります。5年を超えた延長期間の上限はそれぞれの協定により異なります。


4.派遣された人に随伴する配偶者及び子の取扱い

 日本国内に居住する20歳以上60歳未満の人は、国籍や滞在期間に関わらずすべて国民年金の被保険者とされます。しかし、相手国から日本に一時的に派遣された人が、引き続き相手国の社会保障制度に加入し、日本の社会保障制度の加入が免除される場合は、随伴して日本国内に居住する配偶者及び子についても、生計が維持されている場合は、日本の社会保障制度の加入が免除されます.当該配偶者若しくは子が希望する場合は、届出により被保険者となることができます。


5.国民年金の任意脱退制度

 協定相手国から日本に移住してきた人(国民年金の第1号被保険者になりうる人)が、協定相手国の年金制度の加入期間を有していて、その期間と来日以後60歳に到達するまでの期間を合わせても日本の(老齢)年金の受給資格が得られない場合は、任意脱退の承認を受けることができます。

 一方、過去に既に任意脱退の承認を受けている人が、社会保障協定による年金加入期間の通算の仕組みを当てはめて、日本の(老齢)年金の受給資格が得られる場合は、国民年金に再加入するための申出をすることによって、再度国民年金の被保険者となることができます。


6.健康保険による海外療養費の支給

 協定相手国から日本へ長期派遣され日本の医療保険制度に加入している人が、協定相手国で診療を受けたときに、日本国内で保険診療を受けた場合に準じた海外療養費が支払われます。海外療養費の請求は、加入する医療保険制度の保険者に対して請求を行います。


7.協定発効時の経過措置

 協定発効前にすでに派遣または自営活動をしており、発効日以後も引き続きその状態が継続される場合には、発効日から派遣または自営活動を開始したものとみなされます。つまり、発効日から5年以内に派遣が終了する見込みであれば、一時派遣者として日本の年金または(及び)医療保険制度の加入が免除されます。

協定を結んでいる国から日本で働く場合の手続き

1.被用者が一時的に日本に派遣される場合

 日本社会保障制度の加入免除: “適用証明書”

  一時的に日本に派遣され就労する人が、日本の社会保障制度への加入が免除されるためには、協定相手国の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を、協定相手国の適用証明書を交付する機関から受ける必要があります。あなたの事業主が協定相手国の適用証明書を発行する機関に申請手続きを行ってください。 具体的な手続きは、以下の通りです。

  1. 協定相手国の実施機関に適用証明書の交付申請をしてください。
  2. 審査の結果、申請が認められた場合には、実施機関は適用証明書を交付します。
  3. 来日後、日本の事業所に適用証明書を提出してください※。年金事務所が提示を求めた時、また調査の際に、日本の社会保障制度に加入していない理由を尋ねられた時には、この証明書を提示してください。
  4. 2)の過程において、申請が認められなかった場合には、日本の社会保障制度に加入することになります。

 当初の一時派遣期間の予定を延長して日本で就労する必要が生じた場合は、事業主が上記の実施機関に新しい適用証明書を申請してください。


2.自営業者として一時的に日本で就労する場合

 日本社会保障制度の加入免除: “適用証明書” 自営業者として一時的に日本で就労する人が、日本の社会保障制度への加入が免除されるためには、協定相手国の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を、協定相手国の適用証明書を交付する機関から受ける必要があります。あなた自身が協定相手国の適用証明書を発行する機関に申請手続きを行ってください。 具体的な手続きは、以下の通りです。

  1. 協定相手国の実施機関に適用証明書の交付申請をしてください。
  2. 審査の結果、申請が認められた場合には、実施機関が適用証明書を交付します。
  3. 来日後、年金事務所や市区町村の窓口から提示を求めた時、また調査の際に、日本の社会保障制度に加入していない理由を尋ねられた時には、この証明書を提示してください。
  4. 2)の過程において、申請が認められなかった場合には、日本の社会保障制度に加入することになります。

 当初の一時派遣期間の予定を延長して日本で就労する必要が生じた場合は、自営業者本人が上記の実施機関に新しい適用証明書を申請してください。


3.日本の社会保障制度にのみ加入する場合の手続き

 日本へ長期派遣されるまたは日本国内の会社などで現地採用となる場合など日本の社会保障制度にのみ加入する人は、その事業主が厚生年金保険・健康保険の資格取得届を年金事務所へ提出してください。

 日本で長期的に自営活動をする人は、本人が住所地の市区町村へ国民年金・国民健康保険の資格取得届を提出してください。 *帰国する際には、資格喪失届を提出してください。


4.協定発効時の経過措置に該当する場合

 協定発効前にすでに派遣または自営活動をしており、発効日以後も5年以内の間、引き続きその状態が継続される場合には、発効日から派遣または自営活動を開始したものとみなされます。この場合、上述の適用証明書交付手続きのほか、日本の事業主などは、年金事務所へ資格喪失届を提出してください。

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